東京電力は5月20日、福島第1原発事故で、2号機の原子炉を覆う格納容器の破損を防ぐため、内部の圧力を下げる「ベント」と呼ばれる排気作業が失敗した可能性が高いとする調査結果を発表しました。ベントをした場合に、格納容器内の放射性物質を含む蒸気などが通るはずの設備やその周辺の配管の放射線量を調べたところ、汚染度合いが低いことがわかりました。
2号機では、事故から2日目の2011年3月13日以降、格納容器内の圧力が異常に高まったため、ベントを試みました。しかし、その後も圧力は思うように下がらず格納容器が破損、1〜3号機で最も多くの放射性物資が周囲に出たとみられています。
格納容器と排気筒をつなぐベント用配管の途中は、「ラプチャーディスク(閉止板)」と呼ばれる安全装置がふさぐ形になっており、ベントが行われ、一定の圧力がかかると破れる仕組みになっています。今回の調査では、閉止板付近から高い放射線量が検出されませんでした。閉止板が破れず、ベントできていなかった可能性が高いといいます。
(「しんぶん赤旗」2015年5月21日より転載)