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原発回帰の姿勢あらわ 電源構成 国が原案提示へ・・太陽光・風力を抑える

beseload 2030年時点の日本の電力をどのような電源でまかなうのかという電源構成(エネルギーミックス)の検討で、国は原発回帰の姿勢をあらわにしています。そのために国が持ち出すのが「『ベースロード電源』の6割確保」との方針です。

(君塚陽子)

■電源構成 国が原案提示へ

 安倍政権は昨年の「エネルギー・基本計画」で、「原子力、石炭、地熱、水力」を″安くて安定的に発電できる″として「ベースロード電源」としました。

 震災前には6割あった同電源比率は原発ゼロのため、現在は4割以下。それを6割に引き上げることを理由に、原発を全面的に稼働しようとしています。

■欧米では4割台

 国は「主要各国も原子力、水力、石炭火力の電源構成比率は、おおむね6〜9割程度」と強調しますが、これはまやかしです。

 「6〜9割」は2014年時点で、2030年以降は国際エネルギー機関(IEA)の見通しによれば、原子力、石炭火力などの比率は欧米では4割台に下がります。

 その理由を自然エネルギー財団の常務理事、大野輝之さんは、「欧米の原発は減少傾向で、運転延長が認められず、新設もなければ2040年の発電量は現在の5%。C02を排出する石炭火力も気候変動対策で規制が強化される」と指摘します。

■見込み量示さず

 一方、「22%〜24%を見込む」という再生可能エネルギーも、拡大が期待される太陽光や風力を抑える姿勢です。

 4月22日、電源構成を検討する経産省の有識者会議「長期エネルギー需給見通し小委員会」(第7回)に国が配った資料では、電源の区分として、ベースロード電源のほかに、天然ガスとLPガスを「ミドルロード電源」、石油と揚水を「ピークロード電源」と三つに分類しました。そこには太陽光・風力はありません。その理由を経産省は「自然条件で変動するから」と説明します。

 第4回小委(3月10日)で再エネの見通しを示した際も、太陽光や風力については2030年の導入見込み量を示しませんでした。

 導入が進むドイツでは、昨年、電力消費量に占める再エネの割合が27・8%を記録し、その半分が太陽光と風力による発電でした。再エネを「積極的に推進」(エネルギー基本計画)といいつつ、主力を抑え込む姿勢があらわです。

 28日、国は第8回小委に具体的な電源構成の割合の政府原案を示す予定です。

 全国各地で再エネ普及に取り組む自然エネルギーアクションは同日、「再エネ目標を30%以上に!」緊急集会を衆院第1議員会館で午後5時半から開きます。

(「しんぶん赤旗」2015年4月26日より転載)

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