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高浜差し止め 関電が異議・・福井地裁 & 田中規制委 委員長 発言に疑問

 関西電力は4月17日、高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の再稼働差し止めを命じた福井地裁の仮処分決定を不服として、同地裁に異議と執行停止を申し立てました。

 福井地裁は14日の決定で、原発で想定される地震の揺れ(基準地震動)の策定基準などに問題があると指摘。原子力規制委員会の新規制基準は合理性を欠き、高浜3、4号機の安全性は確保されていないとして差し止めを命じました。

 

安全性の説明 事実とくい違い・・田中規制委委員長 発言に疑問

 関西電力高浜原発3、4号機の運転差し止めを認めた福井地裁の仮処分決定に関して、原子力規制委員会の田中俊一委員長が4月15日の会見で「事実誤認、誤ったことがいっぱい書いてあります」などと発言したことが問題になっています。

 決定が使用済み核燃料プールの耐震上の危険性を指摘していることに関して、田中氏は「プール自体も、プールに給水するところも、あるいはプールの水を監視する水位計等も、みんな耐震上は(最も耐震性の高い)Sクラスにしています」と述べました。

 しかし、規制庁の担当者に問い合わせると、プールの水位計など計測装置の耐震クラスは、必ずしもSクラスとは決まってはおらず、「個別の分類分けは、工事計画認可の段階で確認する」と説明しており、田中氏の発言は事実と異なります。

 同決定は、使用済み核燃料プールが、放射性物質が敷地外に放出されることを防御する格納容器のような堅固な設備に閉じ込められていないこと、福島第1原発事故で停止中だった4号機のプール水の冷却ができなくなったために、崩壊熱による温度の上昇で危機的状態に陥ったことを指摘しています。

 新規制基準の規則解釈では「使用済み燃料を貯蔵するための施設」はSクラスですが、「使用済み燃料を冷却するための施設」は一つ耐震性の低いBクラス。決定では、基準地震動(原発で想定される最大の地震の揺れ)を超える地震だけでなく、超えない場合も「使用済み燃料プールの冷却設備が損壊する具体的可能性がある」としており、「新規制基準は緩やかにすぎ、これに適合しても原発の安全性は確保されていない」としていることは、説得力があります。

(環)

(「しんぶん赤旗」2015年4月18日より転載)

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