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過酷事故対策怠る・・福島原発訴訟 国責任浮き彫り & 川内1号、使用前検査を30日に開始

裁判所までパレードする原告団。左端は日本共産党の、いわぶち友参院比例候補=3月24日、福島市
裁判所までパレードする原告団。左端は日本共産党の、いわぶち友参院比例候補=3月24日、福島市

 「生業(なりわい)を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟の第11回口頭弁論が3月24日、福島地裁(潮見直之裁判長)で行われました。

 前回行われた原告側専門家証人の陳述にたいする被告の国と東電側の反対尋問。成元哲(ソン・ウオンチョル)中京大学教授は前回、「福島子ども健康プロジェクト」の研究グループの一員として、原発事故後、福島県内に住む母子を対象に行ったアンケート調査をもとに、放射線量だけで被害が決まるわけではないこと、被害者に生じた生活の変化、放射線被ばくにたいする健康不安などについて証言していました。

 成氏は、「子どもの外遊びができない状態におかれているのか」の被告側からの問いに「そうです」と証言。放射能の影響が子どもと母親の関係で問題を作り出していることを陳述。「まず実態を明らかにしていく」と述べました。

 続いて、核・エネルギー問題情報センター事務局長の館野淳(たての・じゅん)元中央大学教授に対する被告側の反対尋問が行われました。

 舘野氏は裁判長から教訓は何かと問われ「非常用ディーゼル発電機の電気系統に水が入ると機能喪失する。水に対する防護がされていなかったことが問題だ」と陳述しました。

 舘野氏は、前回の口頭弁論で、安全設計審査指針なしでの安全審査がされており、非常用電源の喪失などに注意を払っていなかったことをはじめ、日本でシビアアクシデント(過酷事故)対策を著しく怠っていたことを指摘。国の責任を浮き彫りにしました。

 報告集会で潮見直之裁判長が次回から交代することが伝えられました。同裁判長は、川俣町の自殺事件で自殺と原発事故との因果関係を認めて東京電力に損害賠償の支払いを認めた判決を出していました。

 

使用前検査 30日に開始・・再稼働へ川内1号

 原子力規制委員会は3月24日、九州電力川内原発1号機(鹿児島県)の再稼働に必要な使用前検査を30日から始めると発表しました。設備や機器などが基準を満たしているかを現地で確認します。規制委が審査中の原発で、使用前検査が行われるのは初めてです。

 規制委は昨年9月、川内1、2号機の地震・津波想定や重大事故対策の基本方針が「新基準を満たす」と判断。今月18日には、機器や設備の設計内容を記した工事計画を認可しました。

 これを受けて九電は、翌19日に使用前検査を申請。規制委に30日から開始するよう求め、7月初旬ごろの原子炉起動を目指すと表明していました。

(「しんぶん赤旗」2015年3月25日より転載)

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