高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の多数の機器に点検漏れがあった問題で、日本原子力研究開発機構の松浦祥次郎理事長(79)は3月23日、集中改革の成果をまとめた報告書を下村博文文部科学相に提出しました。
当初改革期間の1年を半年延長しても、原子力規制委員会の運転再開準備の中止命令は解除に至っていません。規制委の先月の報告では、過去に未点検とされた機器のうち、依然として5000近い機器の点検がされていないことがわかっています。報告書は保守管理と品質保証の体制を再構築して再生の基盤はできたとして、今後は改革の定着が必要と評価しています。
松浦理事長は提出後の記者会見で、中止命令の解除時期について「私の技術者としての感覚では9月までに解除してもらえるようでないと駄目だと思う」と話しました。
松浦氏は政府の旧原子力安全委員会の委員長を経て、2013年6月に理事長に就任。今月末に任期が切れます。
(「しんぶん赤旗」2015年3月24日より転載)