日本共産党の島津幸広衆院議員は2月18日、中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)が重大事故を起こしたときに避難対象となる周辺自治体の菊川、牧之原両市を訪問し、避難計画の進捗(しんちょく)状況について聞き取り調査を行いました。県原発センター事務局長の岡村哲志氏の案内で、田島允雄菊川市議、藤野守牧之原市議、市田忠義参院議員秘書らが同行しました。
福島原発事故時に避難者救出経験のある自治体の防災担当者は「ベッドに置き去りになっていた要介護者十数人を運び出したが、途中で亡くなられてしまった。二度と起こしてはいけない。避難計画が作れなければ再稼働してはいけない」と訴えました。
西原茂樹牧之原市長は「市民調査では5、6割が再稼働に反対し、議会も永久停止決議を上げた。国は自治体に避難計画を作れというが、そもそも原発と避難計画はセットで考えるべきもので、避難計画なき再稼働は否定されるべきもの」と述べました。
防災担当者からは「津波による複合災害が起こると、使える道路も限られ避難は極めて厳しくなる」「避難先が決まらないことには市として計画を立てようがない」などの窮状が出されました。
島津議員は「米国では避難計画とセットで原発が認可されているが、日本は再稼働前提で進められている。みなさんの要望を政府に届けます」と応えました。
一行は調査に先立ち、静岡県庁で県の対策を聞きました。県の担当者は「浜岡で重大事故が起これば、31キロ圏内にいる94万人が避難対象になる。避難先の選定は他県との交渉になるので、国が前面に立って避難先確保に責任をもってほしい」と要望しました。
(「しんぶん赤旗」2015年2月19日より転載)