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規制委 止水は何だったのか・・トレンチ対策 東電に総括求める

14-11-22toudoheki 東電が今回、トレンチの汚染水対策として示したのは、トレンチ底部のトンネルに流動性の高いセメント材を入れて埋めながら、水位を監視して汚染水を抜きとる方法です。

 11月21日に開かれた原子力規制委員会の専門家による検討会では、座長で規制委の更田豊志委員長代理は「(別な方法をやるなら)止水は何だったのか」などと述べ、これまでの経過を総括してほしいと、東電に求めました。

 東電も「(止水はお役御免という)思いが強くなっている」と述べました。

 トレンチにたまる高濃度放射能汚染水について、規制委は昨年6月に、トレンチ内の汚染水を除去するよう要求。東電は汚染水を抜きとるため、水の行き来があるタービン建屋とトレンチの接続箇所を凍結菅などによる「氷の壁」でせき止める対策を今年4月から実施しました。1カ月で完成する予定でしたが止水できず、7月から大量の氷やドライアイスを投入。それもうまくいかないため、10月から凍りにくい箇所をセメント材で埋めて凍結を促進させるとしてきましたが、これでも止水できていないことが確実になりました。

 21日の検討に出席した専門家らは、「高さ4メートル、幅4メートルのトレンチで流動性のあるセメント材が固まった時、収縮する恐れがある。地震の際、トレンチの接合部で大きなひび割れが起きるので、それを想定しないといけない」「セメント材で埋める方法を急いでいるようにみえる。作業員の被ばくの問題もある」「凍結止水がうまくいかなくて(建屋の周囲の地面を凍らせる)凍土壁は大丈夫なのか」など、課題を指摘する声が上がりました。

 

海水配管トレンチ・・各タービン建屋から海側に延びる地下トンネル。

 原子炉や機器の冷却系(海水)の配管が設置されています。事故発生で高濃度の放射能汚染水が流れこみ、2号機には約5000トン、3号機には約6000トンの汚染水がたまっています。海への流出の危険性が指摘されています。

 国と東電は、汚染水の増加抑制のために1〜4号機の建屋群を「凍土遮氷壁」で囲んで地下水の流入を低減させる計画を進めていますが、トレンチ内に汚染水

が残っていると凍土遮氷壁の工事が完成しません。

(「しんぶん赤旗」2014年11月22日より転載)

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