住民側が一審勝利した関西電力大飯原発3、4号機再稼働差し止め請求訴訟の控訴審第1回口頭弁論が11月5日、名古屋高裁金沢支部(内藤正之裁判長)で開かれ、住民側か一審判決の意義を訴えました。
一審の福井地裁判決は、大飯原発から250圏内の住民には運転によって人格権が侵害される具体的な危険性があるとして運転差し止めを命じました。東京電力福島第1原発事故や、国内の原発で想定を超える地震動か過去10年足らずに計5回ある深刻な事実などを重視し、使用済み核燃料プールの脆弱(ぜいじゃく)性も警告。これらの指摘は、再稼働の前提となる審査に使われている新規制基準が信頼に値しない問題をも提起するものとなっています。
住民側が意見陳述を行い、中嶌哲演(原告)代表は「司法の良心を引き継ぎ、検討し深めてほしい」と求めました。弁護団も「(一審判決は)福島原発事故の所産だ。これを否定することは、福島事故のような重大事故がもう一度起きても仕方ないとするのと同様だ」「被告(関電側)の主張はフクシマ前に逆戻りすることだ」と訴えました。
次回は2月9日で、さらに9月14日までに3回の期日が決まっています。住民側は、関電側が8月4日の進行協議で裁判所から出た指示に反し、一審判決をふまえず、いたずらに審理の引き延ばしを狙っているともとれる態度を批判していました。
(「しんぶん赤旗」2014年11月6日より転載)