原発が停止していることを「国富の流出」といい、「再稼働はいつの日になるか」などと、九州電力川内原発の早期再稼働を鹿児島県議会で、再三主張している自民党の外薗勝蔵県議の親族会社が同原発関連の工事を多数受注していることが10月27日までに、本紙の調べでわかりました。
本紙の調査で判明
外薗議員は、川内原発が立地する薩摩川内市の選出。外薗氏の兄が代表取締役を務め、同氏の妻も取締役の親族企業は、クレーン作業工事を手がける「外薗運輸機工」(薩摩川内市、資本金2200万円)です。
外薗氏自身も同社の県への届け出書類などによると、同社の発行済み株式77株(17・5%)を保有する大株主です。
同社は、下請けとして「九州電力川内原子力発電所RCP/M機器搬出搬入工事」「川内2号機低圧給水加熱器取換工事」などの九電の関連工事を受注。2011年以降、少なくとも5件を受注しています。
外薗氏は、12年9月の県議会で「このような国の方針では、再稼働はいつの日になるかわかりません。(中略)知事の再稼働に対しての考え方を再度、教えてください」と、再稼働に熱心な伊藤祐一郎知事の後押しをしています。13年6月の県議会では「原発を代替している火力発電所の燃料費が膨らみ、国富の流出と電気料金の値上げが止まりません」とのべています。
川内原発の安全対策を審議する県議会原子力安全対策等特別委員会の委員です。
本紙の取材に、外薗運輸機工は外薗氏への株主配当などの有無について「お答えできるものがおらず、回答できない」としています。
外薗氏の事務所からは、27日までに回答がえられませんでした。
県民の声ではない
さよなら原発いのちの会の代表、堀切時子さん=薩摩川内市在住=の話 九電と自分の利益が一致する人が、川内原発の再稼働を“県民の声”かのようにいうのはおかしい。県内の住民説明会では、再稼働推進派の企業ぐるみの動員疑惑があがっています。こうした推進派の組織に負けず、反対の声を広げていきたい。
(「しんぶん赤旗」2014年10月28日より転載)