九州電力川内(せんだい)原発のある鹿児島県薩摩川内市の議会は28日、臨時議会を開き、再稼働に反対する市民が傍聴席内外につめかける中、同原発の「一日も早い再稼働を求める」陳情を賛成多数で採択しました。岩切秀雄市長も再稼働の同意を表明しました。
日本共産党の井上勝博市議は本会議冒頭、これまでの住民説明会で納得は得られておらず、再稼働の判断は拙速だとして、本会議の延期を求める動議を提出しましたが、退けられました。再稼働賛成陳情には反対討論し、「原発依存から抜け出してこそ地域経済の未来をひらくことができる」と訴えました。井上市議のほか、社民1人、無所属2人も賛成陳情に反対しました。
市議会は本会議終了後、傍聴人を退席させ、全員協議会を開催。岩切市長が「再稼働を進める政府の方針に立地自治体として理解する」とのべました。
市議会と市長の同意に、市民からは強い抗議の声が上がりました。議会傍聴した、女性(56)は「なぜ再稼働をこんなにも急ぐのか。議論を尽くさない市議会のやり方に憤りを感じる」と語気を強めました。
川内原発建設反対連絡協議会の鳥原良子会長は、「市民は同意していない。民意を反映しておらず認めることはできない。再稼働阻止に全力をあげる」と力を込めました。
再稼働に反対する市民らは、抗議集会を開き、「原発再稼働は薩摩川内市だけの問題ではない」と訴えました。井上市議は同日夕、宣伝カーで市内を回り、市長に発言の撤回を求めようと市民に訴えました。
(「しんぶん赤旗」2014年10月29日より転載)