鹿児島県薩摩川内市の九州電力川内(せんだい)原発再稼働について、新規制基準に適合するとした原子力規制委員会の審査に関する住民説明会が10月14日、原発30キロ圏の同県阿久根市で開かれました。原発の安全性について「絶対安全はない」「リスクはある」と説明する国の担当者に不安の声が相次きました。説明会は今回3ヵ所目で、県と市が共催、431人が参加しました。
国の担当者が審査内容を約50分間説明。その後の質疑応答では「国の説明を聞き安心できるかと思い参加したが、不安になった」といった意見や、「使用済み核燃料は稼働してなくてもリスクがある」「新基準が機能して100%安全なのか」など安全性を疑問視する声が出されました。
再稼働や避難計画についての質問に対し、司会進行が新基準の説明についてのみ質問するよう繰り返し求め、質問を遮る場面も。絶えることのない質問者を残し、会を強引に打ち切ったことへの不満も噴出しました。
市の南半分が30キロ圏に入る出水(いずみ)市の、中嶋敏子市議(日本共産党)は説明会後、「再稼働は暮らしと命にかかわる重大な問題。これについて議論せず質問もさせないのでは、住民の不安は解消されない」と運営を批判しました。
30キロ圏内の中学校に勤める教諭の女性(44)は「学校の避難計画は現実的でなく、ほぼ不可能。国は『住民説明会をしましたよ』といって再稼働するのか」と話しました。
(「しんぶん赤旗」2014年10月16日より転載)