東京電力は9月24日、福島第1原発の高濃度放射能汚染水の処理システムの一つを構成する第2セシウム吸着装置「サリー」が、運転員の誤操作で運転停止したと発表しました。
サリーは、汚染水から放射性セシウムを吸着する二つの装置の一つ。同日午前8時30分すぎ、2系統あるポンプのうち、運転していた1系統が停止。同50分にサリーの運転を止めました。東電によると、サリーの入り口にある弁を誤って閉じたため、汚染水を吸着フィルターなどに送るポンプの圧力が下がり、運転停止したといいます。
東電は、ミスが起きた原因については調査中で、設備の異常がないことを確認し次第、運転を再開するとしています。また、今年度中に汚染水を全量処理するという工程に影響はないと説明しています。
装置に異常は見つからず、午後4時半ごろ処理を再開しました。
がれき撤去、来年冬開始・・福島1号機
東京電力は9月22日、福島第1原発で水素爆発した1号機原子炉建屋について、来年の冬から内部のがれき撤去を始めるとの見通しを明らかにしました。近く建屋を覆うカバーの解体に着手します。3号機のがれき撤去で放射性物質が飛散したことを踏まえ、粉じんが舞うのを防ぐ薬剤などを散布しながら作業を進める方針です。
同日、福島県いわき市で開かれた政府と東電による廃炉・汚染水対策現地調整会議に報告しました。
1号機は2017年度下半期から使用済み燃料プール内の核燃料取り出し開始を目指していますが、建屋上部には、爆発の際に崩れ落ちた屋根や設備などのがれきが散乱しています。東電は建屋を覆っているカバーを約1年かけて取り外し、がれきを撤去します。
昨年(2013年)実施した3号機のがれき撤去では、放射性物質を含む粉じんなどが舞い、原発敷地内の放射線モニターの数値が上昇。周辺市町村では、コメの汚染につながったとの指摘も出ています。
(「しんぶん赤旗」2014年9月25日より転載)