日本共産党嶺南地区委員会 > しんぶん赤旗 > 東日本大震災3年半 被災地の願い(5)・・細る仮設のマンパワー

東日本大震災3年半 被災地の願い(5)・・細る仮設のマンパワー

仮設団地自治会は孤独死対策などに取り組んできました。 写真は宮城県石巻市に要請する自治会長ら=2012年1月
仮設団地自治会は孤独死対策などに取り組んできました。
写真は宮城県石巻市に要請する自治会長ら=2012年1月

被災地の仮設住宅では自治会の活動が困難になる事態が相次いでいます。なかには解散に追い込まれた自治会も。孤独死対策など、住民が自分たちの手で生活を守ってきた取り組みが、岐路に立たされています。

自治会が解散

 岩手県宮古市では今年(2014年)に入って、二つの仮設団地自治会が解散しました。

 被災者支援にあたる市の担当者は、「もとの自治会長さんが自立して仮設を出て、その後を引き継ぐのが困難だった」(被災者支援室)と説明します。

 背景には、仮設住宅で必然的に起きる〝人口減少″があります。復興公営住宅の建設や高台の造成が進むにつれ、仮設住宅から次の住まいへと生活再建への道を歩む人が増えていきます。

 こうした自治会の担い手不足は、各地に共通した課題です。

 宮城県の担当者も、「少数だが、解散にまで至った事例がある。担い手不足の問題があると、調査で把握している」(震災援護室)といいます。今後、経済的余裕がない人や高齢者が仮設住宅に取り残され、自治会の運営はいっそう厳しさを増すとみています。

 福島県いわき市に建てられた大熊町の仮設住宅で暮らす60代男性は、「同じ棟の半分以上が出て行った。高齢者ばかりが取り残され、隣近所で助け合う力もない」と訴えます。

 原発事故で男性が暮らしていた集落は離散。仮設住宅で新たな仲間ができましたが、そのコミュニティーもまた崩壊しつつあります。

高齢者が集中

 宮城県石巻市内にある仮設団地の38自治会でつくる「石巻仮設住宅自治連合推進会」の内海徹事務局長は、「仮設住宅に残された人を今まで以上に手厚く見守る必要がある」と考えています。

 高齢者ばかりが仮設住宅に取り残されることで、認知症の悪化や老老介護、独居、経済的な困窮といった問題が集中して起きてくるからです。阪神・淡路大震災の仮設住宅や災害復興公営住宅でも同様の問題が、「超高齢化村」などと指摘されました。

 行政側が考える対策は、仮設住宅を統廃合して住民の規模を維持するというもので、宮城県などが被災自治体に呼びかけています。ただ、心身ともに疲弊した住民にとって転居は多大なストレスになり、それ自体が生活や健康を脅かす恐れもあります。

 山積する課題を前に、しぼむ仮設住宅のマンパワー。自治会長からは「そもそも生活支援が自治会頼みになっていないか。少ない年金による経済的困窮といった問題は本来、国が対策すべきこと」(石巻市の自治会長)と、福祉の強化を求める声もあがります。

 前出の内海事務局長は、自治会役員の活動に行政からの援助がなく経済的負担が大きいことも、担い手不足を加速させる要因だと訴えます。

 「自治会長さんは献身的に頑張っているが、頑張るほどにガソリン代や電話代を自己負担することになる。震災から3年半がたつにもかかわらず、支援策がないのは残念だ」(つづく)

(「しんぶん赤旗」2014年9月16日より転載)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です