衆院本会議は4月4日、トルコ、アラブ首長国連邦(UAE)両国に原発を輸出できるようにする原子力2協定を採決し、自民、公明、民主の各党の賛成で承認しました。日本共産党は反対しました。
2011年の福島第1原発事故後、日本が原子力協定に署名したのは両国が初。日本共産党は「自国で重大事故を起こした政府が原発を率先して売り込むなど無責任だ」(2日の衆院外務委員会の採決で笠井亮議員)と厳しく批判しました。
本会議採決で民主党は、菅直人元首相が欠席、近藤昭一、生方幸夫両議員が退席。また、自民党の秋本真利議員も退席しました。反対にまわった維新からは石原慎太郎共同代表が欠席しました。
同日の参院本会議は、貿易保険法改定案を賛成多数で可決。日本共産党は反対しました。同改定案は、戦争や内乱などによる貿易損失をカバーする貿易保険の保護対象を日系企業の海外子会社にまで広げるものです。
原子力協定採決で退席議員続出・・志位委員長が“矛盾”指摘
日本共産党の志位和夫委員長は4月4日の記者会見で、同日の衆院本会議での原発輸出のための原子力協定承認案の採決のさい、与野党を問わず欠席・退席議員が出たことについて問われ、「原発の輸出をすすめるのは、与党でも理が立たない面があります」と語りました。自民党が「原発に依存しない社会」、公明党が「原発ゼロ」を選挙公約に掲げていたことをあげ、「その立場に照らしても、説明できない矛盾です。その矛盾のあらわれとしてさまざまな行動が起こったと思います」と語りました。
民主党が協定に賛成したことについて「『原発ゼロ』という自らの方針と矛盾します。民主党政権当時から原発輸出をやっていました。自分がやってきたことの清算ができていない」とのべました。