出席者
岩手県 斉藤信県議・・たたかいの課題だと実感
宮城県 横田有史県議・・〝財界シナリオ〟の復興策
福島県 長谷部淳県議・・人権の回復という視点を
-各県の復興の課題などをお話しください。
長谷部 福島はやはり原発です。汚染水問題はどうなるのか、誰にも分からない。事故収束ができない。復興の前提ができていない。
放射能による健康被害の不安に対し、長期にわたる医療、健診体制が必要です。
忘れてはならないのが原発労働者、廃炉作業員のことです。多重下請け構造の中でピンハネや健康管理のあいまい化があってはならなぃ。国家プロジェクトの労働者という位置づけが必要です。
■復旧は5%
横田 宮城県の堤防の復旧はまだ5%です。県は14メートルの高さでなければだめだなどと、住民の思いを無視した建設計画に固執しています。漁師は海が全く見えないと仕事にならないと主張しているのに、県は計画に固執し、入り口で止まったままです。
県のやり方は、惨事に便乗して復興の名でやりたいことをやってしまおうという「ショック・ドクトリン」そのものです。水産特区、仙台空港民営化、メディカル・メガバンク。「防災拠点施設」の名のもとに300億円を投入し、そのうち260億円をJR東日本の土地買い上げに投入する救済策など、財界のシナリオに従う復興策に執着しています。
斉藤 JR山田線の宮古~釜石、大船渡線の盛~気仙沼(宮城)が不通になったままです。11年4月に冨田哲郎社長は全線復旧すると言明していました。内部留保が2兆円を超えているのに、震災に乗じて赤字路線を切り捨てるというJR東日本の姿勢は、国の政治の場でただされないといけません。
-最後に一言ずつお願いします。
■かちとった
斉藤 復興はたたかいの課題だというのが一番の実感です。労組や民主団体、住民が集まり救援復興県民会議をつくり多彩な取り組みをしてきました。県立病院の再建や、県と市町村による住宅再建補助の実現など、運動を通じてかちとったという実感です。
横田 宮城でも支援センターを立ち上げ、さまざまな人と一緒に取り組んできました。水産特区では水産関係者との強い協力関係ができました。今、水源地への放射性廃棄物の最終処分場反対の運動が農業関係者などと共同して広がっています。あらゆる分野の問題で県民本位の復興を求める共同の運動が大きく広がっており、いよいよ正念場のたたかいに直面しています。
長谷部 原発事故によって、土地も家財も地域で幸せに暮らすことも奪われてしまいました。原子力災害からの復旧・復興という場合、奪われた生存権、財産権、幸福追求権をいかに回復するかということを基軸にすえるべきです。しかし、政府の説明は「事業進捗(しんちょく)がどうなっているか」だけなんです。入間の復興という視点がない。これがないと生業(なりわい)、住まいという施策が統一的にならず縦割りになってしまう。「奪われた人権の回復を」。これがオール福島の願いです。
原発事故で「原発の危険について共産党が言っていた通りだった」という信頼を得ました。これからもオール福島の願いの実現に向け頑張ります。
(おわり)
(「しんぶん赤旗」2014年9月12日付け)