2011年3月の東京電力福島第1原発事故の際、大気中に放出された放射性物質が15〜16日だけでなく20〜21日にも、東北、関東地方で拡散していたことが確認されました。原子力規制庁などが、東京大学海洋研究所や首都大学東京などに委託した研究。規制庁が9月5日、発表しました。
各都道府県では、大気中の浮遊粒子状物質の常時測定が行われています。測定に用いられたテープろ紙には、浮遊粒子状物質とともに、福島第1原発事故によって大気中に拡散した放射性物質も付着していることが判明。このため当時のろ紙を収集、分析した結果、事故当初の大気中の1時間ごとの放射性セシウムの濃度がわかったといいます。
それによると、関東地方では、15日午前に放射性セシウムが東部から中部に到達。午後には西部の山麓に達しました。
一方、20日正午ごろに、茨城県の南東部沿岸地域に、その後、関東中部から埼玉県北西部に運ばれ、夜には山麓地帯に滞留しました。21日の午前中は、放射性物質が関東中部を通過し、雨が降り始めたために一部は地上に沈着。その後、東京湾を南下し相模湾上に運ばれたとみられています。
また、福島県中通りでは、15日は放射性物質が南部から北部へ移動。20日夜から21日早朝にかけては、逆に北部から南部に移勤したといいます。
(「しんぶん赤旗」2014年9月8日より転載)