日本原子力発電の敦賀原発2号機(福井県敦賀市)直下を走る破砕帯(断層)を「活断層」と判断した評価書をまとめた原子力規制委員会の外部専門家による調査チームは9月4日、日本原電の追加調査について現地調査を踏まえた4回目の評価会合を開きました。
活断層を否定する日本原電が評価書の論点ごとに反論しましたが、専門家チームからは、評価書の判断を変えるような意見が出ることはなく、「データを見る限り、納得できない」などとしました。座長で規制委の島崎邦彦委員長代理は「十分、科学的な議論ができた」として、次回の会合で再作成する評価書について議論します。
敦賀原発については昨年(2013年)5月、調査チームが2号機直下を走る「D1」と呼ばれる破砕帯が、敷地内にある非常に活発な活断層「浦底断層」と連動する「活断層である」と結論づけ、「直上の重要な施設に影響を与える恐れがある」とする評価書をまとめ、規制委が了承しました。これに対し、同年7月、日本原電は、D1破砕帯は活断層ではないとする追加の調査報告書を提出していました。
この日の会合では、D1破砕帯と「一連の構造」とされる「K断層」が活断層だと評価書で判断されていることに対して、日本原電が地層中の火山灰分析などから、K断層は活断層ではないなどと反論しました。島崎氏が「(専門家と日本原電)お互いの意見が食い違っている」というと、日本原電側が「何が不足しているのか、突き合わせてもらいたい」などのやりとりが繰り返されました。
外部専門家の意見に対し、奥村晃史広島大学教授が「議論を聞いていないのか」などと発言したことに、事務局の原子力規制庁が、日本原電側に抗議するとしています。同氏は日本原電側として出席していました。
(「しんぶん赤旗」2014年9月5日より転載)