東京電力福島第1原発事故の「風化」を許さず、現在の被害状況を明らかにすると同時に、原発のない社会をめざす運動の連携を強めようと「第2回『原発と人権』全国研究・交流集会in福島」が5日、福島市の福島大学で4月2日間の日程で始まりました。市民、法律関係者、科学者、ジャーナリストら約400人が参加しました。主催は同実行委員会。
満席となった全体会の会場で開会あいさつした淡路剛久実行委員長(日本環境会議名誉理事長)は、原発事故がいまだに収束していないと強調。「被災地再建のために有効な手だてを見いだせる集いにしたい」とのべました。
ジャーナリストの柳田邦男さんが基調講演。福島原発事故の政府事故調委員長代理を務めた経験もふまえ、原発事故が終わらない深刻な「広域災害」であることを詳細に明らかにしました。
厳しい住民帰還の状況や、福島県内の原子炉の廃炉を求める運動の広がりなどを真木實彦福島大学名誉教授が報告しました。
原発事故の被害者・市民が次々と登壇。「放射能の影響で漁の見通しが立たないほどつらいことはない。しかし、一歩一歩前に進むしかない」(相馬市の漁民)、「福島市でも放射線被ばくの不安が、人間関係にも影響を及ぼしている。次世代のためにも国と東電の責任を問うていきたい」(原発訴訟原告)、「原発労働者は、現場で毎日のようにトラブルがおきていると話している。彼らの安全を守ることは、福島県民の安全にかかわる問題」(渡辺博之日本共産党いわき市議)などと語りました。
集会では、フランス・リモージュ大学のミシェル・プリウール名誉教授(環境学)が特別講演し、福島大学の丹波史紀准教授が総括報告。桜井勝延南相馬市長も訴えました。