福井県と高浜、おおい、若狭3町、小浜市は国などと8月31日、関西電力高浜原発(同県高浜町)の過酷事故を想定した原子力防災訓練を実施しました。原子力災害対策の重点区域を原発からおおむね30キロ圏に広げた県原子力防災計画などに基づき、30キロ圏住民が参加する初めての圏外避難訓練で、約120の機関と約2100人の住民が参加しました。
高浜原発の30キロ圏人口は、県内が高浜、おおい、小浜3市町の全域と若狭町の一部の計5万5000人、県外は舞鶴市など京都府内7市町の計12万8000人です。
訓練は、3号機の冷却機能喪失による炉心損傷で放射性物質が環境に放出される想定。5〜30キロ圏の避難は、基準を超えた放射線量の観測から40分後に指示が出た後、自家用車などで避難し、途中で安定ヨウ素剤を受け取る要領でしたが、これで甲状腺被ばくを防げるかが問われます。
放射性物質による汚染物を30キロ圏外に出さないとして汚染度を調べるスクリーニングと除染の実施場所は2カ所設置。車ごと調べる「ゲートモニター」を使いましたが、いったん汚染が確認されると手間取っていました。
高浜原発から5キロ圏外に住む高浜町の女性(67)は「みんなが車で避難したら何時間かかるかわからない。事故を起こすような原発はもう動かしてほしくない」と話しました。
原発問題住民運動県連絡会と(同嶺南センターなど※)は訓練の監視行動を行いました。
(「しんぶん赤旗」2014年9月1日より転載 ※=山本雅彦氏加筆)