日本原子力発電の敦賀原発2号機(福井県敦賀市)直下を走る破砕帯(断層)を「活断層」と判断した原子力規制委員会の外部専門家による調査チームは8月27日、活断層を否定する日本原電の追加調査について現地調査を踏まえた3回目の評価会合を開き、論点ごとに議論しました。来月(9月)4日には議論を整理し、日本原電からも意見を聞くといいます。
敦賀原発については昨年(2013年)5月、調査チームが2号機直下を走る「D−1」と呼ばれる破砕帯が、敷地内にある非常に活発な活断層「浦底断層」と連動する「活断層である」と結論づけ、「直上の重要な施設に影響を与える恐れがある」とする評価書をまとめ、規制委が了承しました。
会合では、D−1破砕帯と「一連の構造」とされる「K断層」が、より新しい年代の地層
まで影響を及ぼしている可能性が指摘されたほか、日本原電の追加調査に対し「(評価書の)見解を覆すデータが出てきたと思えない」などの意見が交わされました。
規制委と事業者・・定期に意見交換、首長との懇談は否定
原子力規制委員会は8月27日、安全性向上に関する取り組みや規制制度への改善案などの意見を聞くためとして、電力会社の経営責任者などと個別の意見交換を定期的に実施する方針を決定しました。
第1回の意見交換は、10月をめどに実施。1事業者ごとに臨時の委員会として公開で行います。その後月1回程度、継続的に開催するとしています。対象は原発を保有する電力9社と日本原子力発電、日本原子力研究開発機構、日本原燃です。
定例会後の記者会見で田中俊一委員長は、「安全確保上こういう方がいいという提案があれば、そういった意見は交換して行ったほうがいいし、それを規制に反映していったほうがいい」と述べる一方、自治体の首長などとの意見交換については「いろんなご意見、申し入れ書を受け取っているのですが、あんまり議論するようなことではない」と否定しました。
(「しんぶん赤旗」2014年8月28日より転載)