東京電力は8月11日、福島第1原発事故の当初、放射能汚染水の処理に使用した仏アレバ社製の除染装置を今後使用せず、廃止することを明らかにしました。トラブルが相次ぎ、2011年9月以降は使われていませんでした。
東電によると、この除染装置は主に、汚染水に含まれる放射性セシウムを吸着させ、濃度を低減するため使われました。11年6月から運転を始めましたが、トラブルが相次ぎ稼働率が低く、汚染水の累積処理量は約7万6000トンでした。機器の修理などで作業員の被ばく線量も高かったといいます。東電は装置にかかった費用を明らかにしていません。
汚染地下水のくみ上げ開始・・処理水放出計画
東京電力福島第1原発1〜4号機建屋周辺の汚染地下水を処理した後で海へ放出する計画について、東電は8月12日、試験的なくみ上げを開始したと発表しました。汚染水抑制策の一環で、19日までに約500トンをくみ上げる予定。
くみ上げた地下水は20日、新たに設置した放射性物質を取り除く浄化設備に送り、性能試験を行います。試験結果は今月下旬ごろ分かる見通し。
東電によると、くみ上げには1〜3号機建屋周囲の井戸14基を使用。計画では、1日平均400トンとされる地下水の建屋への流入量を200トンに半減できると見込んでいますが、海への放出には漁業関係者などから反発が出ています。
(「しんぶん赤旗」2014年8月13日より転載)