東京電力は8月11日、福島第1原発1~4号機原子炉建屋周辺からくみ上げた地下水と、護岸の地下水を浄化設備で処理した後に海に排出する計画について、原子力規制委員会に変更認可申請したと発表しました。東電が7日に計画を検討していると唐突に明らかにして、地元や漁業関係者から不信の声があがっていますが、そうした声を置き去りに申請を進めました。
計画は、高濃度の放射能汚染水の増加を抑制するためとして、建屋周辺にある「サブドレン」と呼ばれる井戸と、護岸近くの井戸「地下水ドレン」から、1日当たり500~700トンをくみ上げて、浄化設備で処理した後、
港湾内に排水するもの。
排水基準については地下水バイパス計画の基準と同じだとしています。
東電は、浄化設備の性能試験を20日から開始したいとして12日から準備を進めます。
サブドレンの地下水からはこれまで高濃度の放射性物質が検出されています。東電は、海側の遮水壁を設置する計画の一環として、サブドレンなどから地下水をくみ上げる計画を進めてきましたが、処理後の水の移送先について、説明してきませんでした。
東電は会見で、事前に説明しなかったことについて「よく“後出しジャンケン”と言われるが、移送先を明確にしないで説明していた点もある」「当社として、いろんな方針を決められていなかった。地下水バイパスにOKいただいてから、立て続けになって申し訳ない」などと述べました。
(「しんぶん赤旗」2014年8月12日より転載)