原発再稼働の前提となる新規制基準への適合性審査で、原子力規制委員会は7月4日、5月と6月にそれぞれ申請があった日本原子力発電東海第2原発(茨城県東海村)と東北電力東通原発1号機(青森県東通村)について、重点的に審査する論点を提示しました。
規制委は東海第2原発に対し、ケーブルの火災防護策について、実際の設置状況に即した防火性能の実証を求めました。敷地内に活断層の恐れが指摘されている東通原発には、専門家調査団の見解が出るまで実質的審査は進めない方針を示しました。
東海第2原発は運転開始が1978年で、これまで申請があった原発の中では最も古く、施設内の電気ケーブルに難燃性素材が使われていません。日本原電は防火塗料を塗る方針で、防火性能を示す試験結果を提出していますが、規制委はケーブルの傷や汚れ、塗料の塗りむらなど実際の状況を考慮した性能試験の結果を示すよう求めました。
東通原発に対しては、別途進められている専門家調査団による活断層調査結果が出るまでは、各原発共通の地震・津波想定や、他の沸騰水型原子炉(BWR)と同時に行うフィルター付きベントの性能評価などを除き、個別の審査は行わないとしました。
(「しんぶん赤旗」2014年7月5日より転載)