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規制委人事・・安倍政権の思惑露骨に &エネ基本計画批判・・山下議員

 原子力規制委員会で9月から就任する2委員の会見が先週ありました。元日本原子力学会会長の田中知(さとる)東京大学教授の発言は非常に気になりました。

 一つは、福島第1原発事故の原因がどこまで解明されたのかについての考え。田中氏は、原子力学会の見解と同じだと語りました。その学会の最新見解とは「直接原因のみならず、根本原因まで明らかにしています」というもの。

 これは、大飯原発3、4号機の運転差し止めを命じた福井地裁判決にかみついた時の見解です。判決が「福島原発事故の全容が解明されているわけでもない」と指摘し、電力会社の事故後の対応を指して「『福島原発事故を踏まえて』という言葉を安易に用いるべきではない」と痛烈に批判していたからです。

 学会は「事故原因が究明されていないとの指摘は事実誤認」と反発。しかし、事故原因で未解明の問題は少なくありません。実際、規制委で昨年(2013年)から検討しているのも、事故の原因究明です。

 原発メーカーから寄付を受け取り、原発推進の業界団体の理事を2年前まで務めた田中氏。委員の適格性に疑問が出ていることを問われ、「コメントする立場にない」と繰り返すばかりです。

 一方で、規制委のあり方について「孤立しないのがポイント」と述べ、関係者とのコミュニケーションが大事だとも。「孤立せずに事業者との意見交換」などを求めていた財界や自民党の主張とうり二つです。人事を提案した安倍政権の思惑が露骨に浮き立ってきます。

 

エネ基本計画批判・・山下議員「福島事故教訓に」/参院内閣委

(写真)質問する山下芳生議員=6月12日、参院内閣委
(写真)質問する山下芳生議員=6月12日、参院内閣委

 日本共産党の山下芳生議員は6月12日の参院内閣委員会で、4月に閣議決定されたエネルギー基本計画について「福島原発事故の教訓、国民世論を踏まえれば、原発を永久に使い続ける計画はあり得ない」と批判しました。

 山下氏は、原子力委員会改定案はすでに廃止されたり、形骸化した事務を整理・廃止するだけで、原発ゼロ社会を求める国民世論に反する見直しだと指摘。山本一太科学技術政策担当相は「エネルギー基本計画と整合性のない考え方を示すのは難しい」と述べ、原発推進の組織になることを認めました。

 山下氏は、福島の損害費用は試算の倍以上に膨らんでおり、原発は“コストが安い”としたエネルギー基本計画の根拠は崩れていると指摘。さらに、すべての原発が止まっており、計画がいう発電の安定供給性もないと追及しました。山本担当相は根拠を示せず、「安倍内閣の判断だ」と答えるだけでした。

 山下氏は「福島の今を見るべきだ」と被害の深刻な実態をあげ、原発の危険性を強調。また、原発回帰の計画により、「再生エネルギーの普及が後景に追いやられる」と批判しました。

(「しんぶん赤旗」2014年6月17日より転載)

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