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怒り、あ然‥中間貯蔵施設・・石原環境相 「最後は金目でしょ」発言

「最後は金目(かねめ)でしょ」・・。石原伸晃環境・原子力防災担当相の、東京電力福島第1原発事故に伴う汚染土の中間貯蔵施設建設での地元調整に関する発言(6月16日)に、福島から怒りの声が上がっています。候補地の双葉町の自治会関係者に聞きました。

 

故郷失うかもしれない。苦しみが分からないか・・元避難所自治会長天野正篤さん(76)

 石原環境相の発言はあまりに早計、軽すぎます。前にも福島第1原発のことを「第1サティアン」と呼んだこともあります。

 私個人は、広く日本の将来、また福島の中通りの人たちのことを思えば、双葉、大熊両町に中間貯蔵施設をつくることは選択肢かと思います。しかし、それは私たち双葉町民が、故郷を失うかもしれないという苦渋の、悲しい選択の上でのことです。損得で物事を考えているわけではありません。

 それを「最後は金目」とは何事か。

 東北人の特徴は我慢強いことです。東日本大震災、東京電力福島第1原発事故、3年3ヵ月たっても続く仮設住宅での生活。われわれは我慢に我慢を重ねている。石原環境相の発言は、被災者の苦しみを全く理解していない。大いに失望しました。

(写真=左)元避難所自治会長 天野正篤さん(76) (写真=右)双葉町 伊藤吉夫さん(72)
(写真=左)元避難所自治会長 天野正篤さん(76)
(写真=右)双葉町 伊藤吉夫さん(72)

 

日々の暮らしに必死。付き合っている暇はない・・双葉町伊藤吉夫さん(72)

 いつになったら双葉町に帰り生活できるのか。政府はその見通しさえ示していません。本来的には、双葉町で暮らしていた時と同等の生活が移住地で保障されるべきです。しかし、税金、国費を使うわけですから、その保障には国民の理解が得られないといけません。

 私たちは、いつまでも仮設住宅、借り上げ住宅でばらばらの生活を送るのでなく、双葉町住民のそれぞれの地域への「仮移住」を検討しています。政府にはせめて、「仮移住」するための支援を求めているのです。

 それさえ「最後は金目]だと石原環境相はいうのでしょうか。私たちは今後どうするか、日々の暮らしに必死で、つまらない発言に付き合っている暇はないというのが実感です。

 

陳謝するも撤回はせず・・福島知事が厳しく批判

 石原伸晃環境・原子力防災担当相は6月17日の閣議後記者会見で、東京電力福島第1原発事故の除染で出た汚染土を保管する中間貯蔵施設建設に向けた地元との調整について「最後は金目でしょ」と発言したことに関し、「品を欠く発言で不快な思いをされた方に心よりおわび申し上げる」と陳謝しました。

 発言をめぐっては地元から反発の声が起きていますが石原環境相は、発言を撤回するかについては「そういう話ではない」と述べるにとどめました。

 福島県の佐藤雄平知事は同日の記者会見で、環境相の発言について「県民がどんな苦労をしたのか分かっているのか。ふるさとを思う気持ちをまったく顧みない発言だ」と述べ、厳しく批判しました。

 

福島県議会 抗議文送る・・全会派が賛成

 石原伸晃環境・原子力防災担当相が、福島第1原発事故に伴う汚染土の中間貯蔵施設建設について「最後は金目でしょ」と発言した問題で、福島県議会は6月17日、全会派の賛成で平出孝朗議長名の抗議文を同相あてに送付しました。同日午前から代表者会議を断続的に開き、日本共産党、自民党、民主・県民連合、未来ネットが一致して決定したものです。

 抗議文は、中間貯蔵施設の建設について住民説明会が開かれたものの、住民の疑問に対し政府の十分な説明がなく、多くの住民は生まれ育ったふるさとの将来への不安に苦しんでいると指摘。その中での石原氏の発言は、住民の尊厳を踏みにじるものであり、到底容認できるものではないと強調しています。

 その上で「本県議会は、石原環境大臣に対して、断固抗議するとともに、早急に発言を撤回し、今後は大臣自らが真摯(しんし)で誠意のある態度を住民に示すよう求める」とのべています。

(「しんぶん赤旗」2014年6月18日より転載)

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