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福島第1タンク漏水 堰外に2・5億ベクレル &2号機 格納容器水位30㌢ &アルプス1系統運転再開

 東京電力福島第1原発の高濃度放射能汚染水タンクが設置されているエリアの堰(せき)内の水をためるタンク(ノッチタンク)から水が漏れていた問題で、東電は6月9日、「核燃料物質等の管理区域内での漏えい」にあたるとして原子炉等規制法にもとづき、原子力規制委員会に報告しました。

 ノッチタンクにためられていたのは、昨年8月に漏水が起きた高濃度汚染水タンク群の堀内たまり水。ノッチタンク内の水からは全ベータ(ストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質)が1リットル当たり7万2千ベクレル、同タンク群を囲む堀内のたまり水からは同9800ベクレルが検出されました。

 東電によるとノッチタンクには、昨年8月に漏れた汚染水を回収したあとに汚染水タンク群の堀内にたまった雨水が移送されていましたが、堀内に汚染が残っていた影響で放射能濃度が高くなっていたとみられます。

 ノッチタンク群の堀の排水弁が開いていたため、堰外に最大3・4トンの水が漏れ、それに含まれる放射性物質は約2・5億ベクレルと推定されるとしています。

 東電は、2日に漏水が起きた当初は「水は堰外に漏れていない」としましたが、その後説明を一転。漏水が起きるまで同タンク内の水はただの「雨水」だとしてパトロールもしていなかったなど、ずさんな管理が明らかになっています。

2号機格納容器・・水位が底部30センチ

 東京電力は6月9日、福島第1原発の2号機格納容器内に温度計や水位計を設置した結果、水位が底部から30センチだったと発表しました。これまで内視鏡の調査の結果で発表していた60センチの半分の値です。

 東電は、これまでとの違いについて、測定誤差などが影響している可能性はあるものの、今回は「精度の高い値」といいます。

 また、格納容器内の温度は、空気中で33・5度、水中で35・6度でした。

 東電は同日の会見で、「溶融した核燃料は、完全に水没しているか一部かは判断できないが、水に漬かった状態ではないか。温度から冷却できている」とみています。

アルプス1系統運転再開を発表・・東電

 東京電力は6月9日、増え続ける汚染水に含まれる多くの種類の放射

性物質を取り除く設備「ALPS(アルプス)」について、トラブルで停止していた1系統(A系統)の運転を再開したと発表しました。これでアルプスの3系統のうち、2系統が運転していることになりました。

(「しんぶん赤旗」2014年6月10日より転載)

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