東京電力は5月27日、福島第1原発1号機の原子炉建屋で、格納容器につながる配管の1つから水が漏れている箇所を特定したと発表しました。東電は昨年(2013年)11月、格納容器下部の北西と南東の2カ所で水が流れているのを確認していましたが、今回は南東部分で具体的な漏水箇所を調査したものです。
水漏れは配管をつなぐ伸縮継手という構造を覆うカバーの外側2カ所で見つかりました。東電は28日の会見で漏水の原因について、厚みが1・5ミリと配管に比べて薄い伸縮継手が、事故後に注入した海水の塩分で腐食したためである可能性が高いとしています。
漏水量や破損部分は確認できていません。現場は放射線量が高いため、カメラを搭載した遠隔操作ロボットで27日に調査しました。漏えい箇所の近くの放射線量は1時間当たり1500ミリシーベルトでした。
第1原発1〜3号機では、原子炉内で溶け落ちた核燃料を冷やした水が格納容器から漏れ、高濃度汚染水として地下にたまっています。核燃料を取り出すには格納容器を水で満たして放射線を遮る必要があり、東電が漏水箇所を調べています。
また東電は、2月に高濃度放射能汚染水が約100トン流出したタンク付近の地下水(26日採取)のうち、H6エリア海側の「G3」井戸で1リットル当たり42ベクレルの全ベータ(ストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質)を検出し、過去最高値となったと発表しました。
(「しんぶん赤旗」2014年5月29日より転載)