日本共産党嶺南地区委員会 > しんぶん赤旗 > くみ上げ水 基準超え・・地下水バイパス 海へ放出開始後初 &汚染土輸送

くみ上げ水 基準超え・・地下水バイパス 海へ放出開始後初 &汚染土輸送

 福島第1原発で進められている地下水バイパス計画で、海に放出するためにくみ上げた地下水から、放出基準を超える放射能濃度が検出されました。東京電力が5月27日発表しました。海への放出を開始した21日以後、基準を超える濃度が検出されたのは初めて。

 東電によると、12本あるくみ上げ用井戸の一つで26日に採取した地下水から、トリチウム(3重水素)が1リットル当たり1700ベクレル検出されました。東電が定めたトリチウムの海への放出基準(同1500ベクレル未満)を超えたのは、同じ井戸から4月15日に採取した地下水からの同1600ベクレルの検出に続き2回目。東電は、この井戸からのくみ上げを27日夜に停止しました。

 この井戸の濃度分析は前回、19日採取分で同1100ベクレルでした。今回の基準値超えを受けて東電は、週1回の分析を2回に増やすとしています。

 計画では、12本の井戸でくみ上げた水を一時貯留タンクにためて基準値を下回れば海に放出する方針。一つの井戸で基準値を超えても、他の井戸の地下水と混ざり薄まって放出される可能性があります。今回、基準値超えの地下水が最大で約1週間くみ上げられ、すでにタンクに入っている可能性があります。

 この井戸の130メートルほど上流側には昨年(2013年)8月に300トンの高濃度の放射能汚染水が漏れたタンクがあります。タンクと井戸の間では地下水の放射能濃度が上昇傾向にあり、漏えいの影響が懸念されています。

◎地下水バイパス計画

 ・・原子炉建屋地下などへの地下水流入による高濃度の放射能汚染水の増加を抑制するために、建屋の山側で地下水をくみ上げて海に流す計画。21日に初回の放出を実施し、2回目は27日に641トンを放出しました。現在、12本の井戸から1日当たり計約300トンくみ上げており、東電は週1回程度の頻度で放出を進める予定です。

 

汚染土輸送は高遠道を優先・・環境省

 環境省は5月28日、東京電力福島第1原発事故の除染で生じた汚染土の輸送方法を議論する有識者検討会で、汚染土を中間貯蔵施設に搬入する際、住宅地から離れている高速道路を優先的に利用することや、交通渋滞や事故が起きる危険を避けるため、できるだけ大型車両を使って通行回数を減らすことなどを盛り込みました。

 同省は、福島県大熊、双葉両町への中間貯蔵施設建設を目指し、31日から住民説明会を開始します。

 同省は今夏に、汚染土などの輸送に関する基本計画をまとめる方針で、今回提示した対応策も計画に反映させます。

(「しんぶん赤旗」2014年5月29日より転載)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です