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地下水バイパスの井戸・・上流側など汚染進む &ホースから漏れ &2回目の放出 &四電 地震動上げ

 東京電力は5月23日、福島第1原発の地下水バイパスのくみ上げ用井戸の上流側に近い2カ所の地下水(21日採取)から、両地点の過去最高値となる1リットル当たり50ベクレル、同21ベクレルの全ベータ(ストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質)を検出したと発表しました。両地点は、昨年(2013年)8月に高濃度の放射能汚染水約300トンが漏えいしたタンク群の下流側にあります。

 また今年2月に汚染水100トンが流出した別のタンク群の下流側の地下水(22日採取)からも、過去最高値となる同2400ベクレルのトリチウム(3重水素)を検出しました。

 2号機海側の護岸地下水(22日採取)の分析結果でも、同4200ベクレルの全ベータを検出。過去最高値を更新しました。

 

流出タンク堰内の水ホースから漏れ・・福島第1

 東京電力は5月22日、福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)で昨年(2013年)8月に300トンもの高濃度汚染水が漏れたタンクのある区画を囲む堰(せき)にたまった水を移送するホースが割れ、水が漏れたと発表しました。

 東電によると、同日午前10時50分に関連会社の作業員が発見。20分後に移送ポンプを停止すると、水漏れが止まったといいます。漏れた量は最大4トンと推定。堰内の水を分析したところ、ストロンチウム90が1リットル当たり6ベクレル検出され、東電の排出基準(同10ベクレル)を下回っているとしています。

 ホースが割れた原因について東電は、踏みつけなどによるとみて、踏みつけ防止の「注意喚起表示」を取り付けるといいます。

 

来週中に地下水・・2回目の放出

 福島第1原発で建屋の山側からくみ上げた地下水を海に流す地下水バイパスについて、東京電力が来週中に2回目の海洋放出を行うことが24日までに分かりました。地下水バイパスは汚染水の増加抑制策の一環で、2回目は昨年(2013年)4月以降、井戸が完成した際に試験的にくみ上げた地下水約630トンを放出します。

 東電は1日60〜70トンの地下水を1〜4号機原子炉建屋の山側に設けた12カ所の専用井戸でくみ上げており、今後も週1回のペースで放出する方針です。

 一方、同計画について東電は、1〜4号機原子炉建屋周囲の地下水位低下など効果の確認に「1、2カ月かかる」との見通しを示しました。その上で「降雨の状況などによっても変わるので、十分確と説明しました。福島県での漁業の復興に関する協議会の会合で21日、担当者が明らかにしました。

 第1原発では、山側からの地下水が高濃度汚染水がたまっている原子炉建屋地下に流れ込み、汚染水増加の一因となっています。地下水バイパスは建屋手前の専用井戸で地下水をくみ上げて海に流し、流入量を減らす狙いがあり、21日に初めて実施しました。

 

伊方基準地震動・・四電が引き上げ

 四国電力は5月23日の原子力規制委員会の新基準適合性審査会合で、伊方原発3号機(愛媛県)の基準地震動(想定される最大の揺れ)を570ガルから620ガルに引き上げると説明しました。620ガルは、優先審査が行われている九州電力川内原発(鹿児島県)の基準地震動と同じ。

 会合では四国電力の中央構造線の評価が不十分だとする指摘が相次き、基準地震動が妥当かどうかは継続審査となりました。

 一方、九州電力は川内原発で、周期の長い揺れが続く長周期地震動が免震重要棟に与える影響を説明しました。会合後、規制委側の担当者は「地震、津波にかかわる問題で公開の会合で審査することはなくなった」と説明。同原発の審査書案の作成が進むことになります。

(「しんぶん赤旗」2014年5月25日より転載)

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