6委員に原子カマネー・・規制委審査会 3000万円超受領も
原発や核燃料関連施設の安全性について原子力規制委員会に助言する審査会の委員6人が、原子力関連の事業者から資金提供を受けていたことが5月22日分かりました。自己申告に基づき、規制委がホームページで公開しました。規制委は4月、原子炉安全専門審査会と核燃料安全専門審査会の委員計16人を選びました。
規制委によると、最も多額の資金提供を受けていたのは関村直人東京大教授。2010〜13年度に、三菱重工業から委託・請負事業として計3187万円余りの研究費を受け取っていました。また、電力中央研究所から13〜15年度に90万円の共同研究費を受け取る契約を結んでいました。
次に多かったのは山中伸介大阪大教授で、計1375万円余り。11〜13年度に、日本原燃や日本核燃料開発など4社から研究費を提供されていました。
元日本原子力学会会長で、東京大の田中知教授も日立GEニュークリア・エナジーなど2社から11年度に計110万円の寄付を受けたほか、東京電力の財団から50万円以上の報酬を得ていました。
また、09年度から12年度の間に、浅沼徳子東海大准教授が日本原子力研究開発機構から160万円の研究費、高田毅士東京大教授が竹中工務店から150万円の寄付、森山裕丈京都大原子炉実験所長が日立GE社から60万円の寄付を受けていました。
汚染水の処理アルプス再開・・福島第1
東京電力は5月23日、福島第1原発の汚染水から放射性物質を除去する設備「ALPS」(アルプス)で、トラブルで止まっていたB系統の処理を約2ヶ月ぶりに再開したと発表しました。アルプスでは昨年(2013年)3月の試運転開始以来トラブルが頻発しており、A系統は今月17日から処理を停止。C系統で異常が見つかった20日からは、全3系統で汚染水処理を停止していました。
B系統は、処理性能の低下が発覚して3月18日に停止。その後の調査で、炭酸塩をこしとるためのフィルターの部品の欠損が確認されたことから、東電は改良型フィルターへの交換と、系統の洗浄を進めていました。その作業が完了したことから今回、B系統の処理を再開しました。
現在停止中の2系統についてもフィルターを交換し、A系統は6月上旬、C系統は中旬ごろに水処理を再開する予定だといいます。
アルプスは、建屋地下などにたまった放射能汚染水をセシウム除去装置に通した後、62種類の放射性物質を大幅に低減させる設備。問題のフィルターは、アルプスの吸着塔でストロンチウム90を吸着するのにじゃまになるマグネシウムやカルシウムなどの炭酸塩を、前処理段階で除去するためのもの。
(「しんぶん赤旗」2014年5月24日より転載)