約1万4000件の機器で点検漏れがあった日本原子力研究開発機構の高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)について、保全計画の確認作業で「不適合」として処理すべきものを「誤記」として取り扱ったことや、その後に見つかった点検漏れは「保安規定違反」だと、5月14日に聞かれた原子力規制委員会の定例会で報告されました。
もんじゅの保安規定違反は、大垣の点検漏れが指摘された2012年の12月以降、5件目になります。
もんじゅでは、保守管理体制の不備から、昨年(2013年)5月に規制委は、原子力機構が対策をとるまで運転再開の準備を停止するよう命じています。
今年3月、規制委はもんじゅの保安検査を実施し、対応状況を確認しました。
保安検査では一部の機器を抜き取り、点検実績などを確認。その結果、保全計画の点検期限や点検実績などで不適合として処理すべきものが、誤記として訂正印で訂正されているものが見つかりました。
規制委によると、見つかった訂正印による訂正は520カ所、うち少なくとも249カ所は、不適合として処理すべきものだったとしています。原子力機構では、これに関して、プラント管理部長などの確認や所長の承認を得ていました。
(「しんぶん赤旗」2014年5月15日より転載)