東京電力は4月18日、柏崎刈羽原発(新潟県柏崎市、刈羽村)の敷地内断層の調査結果を発表しました。原子炉建屋の下に20万年前以降に動いた断層はありませんが、三十数万年前までさかのぼると、3号機と5~7号機直下の断層に動いた可能性があるといいます。
柏崎刈羽原発は7基の原子炉のうち、1、2号機直下の断層で二十数万年前以降に動いた疑いが浮上しています。原子力規制委員会は、原発の新しい規制基準の中に、活断層かどうか判断する際には念のため40万年前までさかのぼって調べるよう盛り込む方針で、同原発は4号機を除く6基で詳細な断層調査を求められる可能性も。
東電によると、3号機と5~7号機の原子炉建屋直下には「V系」「F系」と呼ばれる複数の断層が走っています。これらは三十数万年前以降に動いたとみられます。
活断層の定義は、12万~13万年前以降に動いた断層とされ、新規制基準では、この期間の資料が乏しい場合、40万年前までさかのぼって調べるよう求める方向で調整が進んでいます。
政府基準ならすべて活断層・・立石雅昭・新潟大学名誉教授の話
東京電力は、伯崎刈羽原発1、2号機直下にある断層が動いた時期を24万~20万年前、3、5~7号機の直下にある断層が動いた時期を三十数万年前と推定しています。政府地震調査研究推進本部は、40万年前以降に動いた断層を活断層とみなしています。この基準をあてはめれば、柏崎刈羽原発の地下にある断層はすべて活断層です。これを考慮しなければ、原発の安全性を高めることはできません。
また、断層が動いた時期の推定方法に問題があります。東電は、ある年代の地層に断層があれば、断層が動いた時期は地層が堆積したのと同時期だとみなしています。しかし、断層が動くとき、地表に表れない場合もあります。それを突き止める方法はまだなく、正確な活動年代を決められません。それ以降の地層に断層が見つからないからといって、安心はできません。
東京電力公開資料より
7号機で火災・・柏崎刈羽原発7号
東京電力は4月19日、柏崎刈羽原発(新潟県柏崎市、刈羽村)の7号機で火災があったと発表しました。
18日午後2時48分ごろ、7号機で電源切り替え作業をしていたところ、電源盤の故障を示す警報が発生しました。現場を確認すると、コントロール建屋にある電源盤に焦げ後が見つかりました。火や煙はみられませんでした。
消防に連絡して現場確認した結果、19日に火災と判断されました。
東電は、今後原因調査をする予定だといいます。
「ふげん」で廃液漏れる・・日本原子力研究開発
機構は4月19日、廃炉作業中の新型転換炉「ふげん」(福井県敦賀市)で、原子炉冷却水の浄化に使った放射性廃液の濃縮貯蔵タンクから、微量の漏れが見つかったと発表しました。漏れた廃液の放射能濃度は法令で規定された基準値の数十万分の一以下としています。