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福島 避難区域再編1年 元の生活いつ・・荒れた住宅並び、電気・水道使えない

東京電力福島第1原発事故で設定された避難指示区域を、放射能汚染の度合いに応じて3区域に再編する措置が始まって、(2013年)4月で1年が過ぎました。対象11市町村のうち9市町村で再編が完了し、残る2町も夏までに終える見通しです。

13-04-23hinan 政府は2011年末、避難指示区域を年間被ばく量に応じて、避難指示解除準備区域(20ミリシーベルト以下)▽居住制限区域(20ミリシーベルト超~50ミリシーベルト)▽帰還困難区域(50ミリシーベルト超)の3区域に見直す案を示しま
した。

2012年春の一括再編を目指す政府に、地元は「賠償や除染が進んでいない」と反発。自治体ごとに個別協議が始まりました。

田村市東部の原発20キロ圏内の地域は12年4月、立ち入り禁止の警戒区域から解除準備区域に移行しました。今年3月には避難指示が出ている地域で初めて野菜の出荷制限を解除。住民や地元農協によると、少なくとも2軒の農家が米の作付けを準備し、飼料用穀物の栽培を予定する農家もあるといいます。

一方、今月(4月)1日から立ち入り可能となった浪江町沿岸部では、2年間手入れされず荒れた住宅が並び、電気や水道も使えません。町は「復旧に少なくとも4~5年はかかる」とみています。

再編が終わっていないのは双葉町と川俣町。第1原発5、6号機がある双葉町は大半が帰還困難区域になる見通しで、大型連休明けの再編を目指します。一方、川俣町も夏までの再編を目指し、住民と協議を進めています。

 

「住めない」「住みたい」思い複雑

避難指示区域の再編が始まって1年。最初に立ち入りが可能になった地域では除染や家屋の清掃が進んでいますが、4月に警戒区域が解除されたばかりの浪江町の住民からは、荒れ果てたわが家に「言葉も出ない」との声が漏れています。

浪江町北幾世橋の荒則光さん(64)の自宅周辺は雑草が生い茂り、イノシシが掘り返したとみられる穴だらけ。家の中は2年前の巨大地震で家財が散乱したままです。

母屋は築7年。荒さんは震災前、娘夫婦や孫と7人で暮らしていました。「孫が大きくなったら若い衆に母屋を譲り、古い離れに移ろうと思っていた」。その離れは2年間、雨漏りが続いていました。天井の板は水の重みで剥がれ、垂れ下がっています。荒さんは「もうみんなでここに住むことはないだろう」とうなだれました。

一方、昨年4月に警戒区域が解除された田村市都路町古道では、住民が清掃を終え、帰宅できる状態になった家もあります。

自治会長だった坪井和博さん(65)は解除後、清掃やリフォームに励み、昨年夏には片付けを一通り終わりました。自宅周辺の除染も春に終わりました。避難指示は続いており、今もわが家に泊まれませんが、「住めと言われればいつでも」と話します。

大型連休には宿泊を伴う一時帰宅が予定されています。坪井さんは夫婦で数日間泊まるつもりです。冷蔵庫など必要な家電製品は仮設住宅から持ち込み、布団は新しく買うといいます。

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