原子力規制委員会の東京電力福島第1原発の事故分析を継続的に行う検討会の初会合が4月1日開かれました。検討会は規制委の更田(ふけた)豊志委員と、旧原子力安全委員会で委員長代理を務めた久木田豊名古屋大学名誉教授ら外部専門家などで構成。東電も出席しました。
初会合では今後の議論について検討。当面は2014年末に予定されているIAEA(国際原子力機関)の福島第1原発事故についてのリポートの検討に資するように事実関係の究明・整理を中心に進め、それ以降、中長期的には規制への反映事項などについても検討を行うとしました。
また、国会事故調や政府事故調で指摘されている、地震による安全上重要な施設への影響や、1号機非常用復水器(IC)の作動状況などの論点のほか、新たに得られた事実に基づいて一定の結論が得られる見込みがある論点から優先的に検討を進めることとしました。
出席した専門家からは、東電のデータに依存しないことが重要だという指摘があったほか、廃炉作業による影響から現場を保全する必要性、すでにさびなどの腐食による影響が見られることなどから、優先する調査対象を検討するよう求める意見がありました。
しかし、この日の会合では東電資料などによる1号機建屋4階のIC付近で目撃されている出水の原因と、4号機水素爆発の水素の発生源(などの検討が行われました)。しかし、専門家からは「検討する内容の全体像が見えないのに、個別の案件に移るのはまずいのではないか」と疑問の声が上がっていました。
また1号機における地震の影響を調べるためには、建屋の揺れを示す地震計のデータがどれだけ残されているかを東電に明らかにさせることが必要だなどの意見が出されました。
検討会は今後、1カ月に1度程度開かれる予定です。