厚生労働省長崎労働局は、東電福島第1原発事故の緊急作業で作業員を雇用した長崎県内の5次下請けのM工業と、同県内のYエンジニアリングなどに対し、二重派遣であり職安法違反を認定。これら供給元に対し2カ月を期限に是正報告書の提出などを命じていたことが5月10日までに分かりました。
この事件は、本紙が2011年11月に連載「レベル7」で報道した原発作業員の訴えに基づき同労働局が調査してきました。
作業員は「原発敷地外の作業」との説明でM工業に就職しましたが、1次下請けのN動力の現場で作業に従事。現場は原子力建屋でした。高線量の建屋内で重たい鉄板をかかえて3階(実質5階)まで上がる作業で、十数ミリシーベルトを被ばくしています。
訴えた作業員は偽装請負を国が認定したことは当然としたうえでこう語りました。
「原発の敷地外というふれこみで連れて行かれ、実際には原子炉建屋のなかで、重さ20キロの鉛板を建屋上部まで担ぎ上げる、被ばく要員にさせられた」と厚生労働省の徹底した対応を求めました。