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もんじゅ再開中止指示へ・・規制委 管理体制問題を重視/市田氏 廃炉強調

多数の機器で点検時期の超過が見つかった日本原子力研究開発機構の高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)について、原子力規制委員会は5月13日までに、未点検機器の整備などが完了するまで、運転再開に向けた準備を進めないよう指示する方針を固めました。

長期間運転を停止しているもんじゅでは昨年11月、1万件近い機器について点検間隔の延長手続きを行わないまま、実施を遅らせていたことが発覚。規制委は今年2月、立ち入り検査などを行って調査してきました。

調査の結果、規制委は原子力機構の管理体制などに問題があることを重視。未点検機器が残っていることなどから、年度内の運転再開に向けた準備作業の継続を当面の間認めない方針です。

原子炉等規制法は、技術的基準に適合しない原子炉施設に対し、規制委が使用停止命令を出すことができるとしていますが、規制委によると、使用前検査の段階にあるもんじゅへの適用は難しいとしています。

もんじゅは1995年のナトリウム漏れ事故で、長期間運転を停止。2010年5月の試験運転開始後も、点検用機器の落下事故などで再び停止しています。原子力機構は今年度中の運転再開を目指していますが、新規制基準への対応や、敷地内で活断層の疑いが指摘されています。

解説・・ただちに廃炉に

高速増殖炉「もんじゅ」は、燃料に使用した以上のプルトニウムをつくり出せる「夢の原子炉」というふれこみで政府が開発を進めているものです。しかし、燃料のプルトニウムは極めて毒性の強い放射性物質で、冷却材のナトリウムは水や空気と激しく反応します。1995年のナトリウム漏れ事故では実際に火災が発生しました。

日本よりも先に高速増殖炉の開発を始めた欧米諸国は、技術的な困難さや危険性、経済性の問題からすでに撤退しています。しかし、政府は、一般の原発の使用済み核燃料を再処理して取り出したプルトニウムを使う「核燃料サイクル」の柱として高速増殖炉の開発に固執しています。

もんじゅが立地する福井県の敦賀半島とその周辺には多数の活断層があり、原子炉建屋の西側数百メートルのところを長さ15キロでマグニチュード6・9の地震を引き起こすとされる白木―丹生断層が走っています。活断層である疑いがもたれている敷地内の破砕帯(断層)について、原子力規制委員会の専門家による調査はまだ行われておらず、結論が出ていません。

もんじゅが地震の被害を受けたときの危険性は、東日本大震災で深刻な事態に陥っている東京電力福島第1原発の例からも明らかです。政府と日本原子力研究開発機構はただちにもんじゅを廃炉にすべきです。(間宮利夫)

 

 「もんじゅ」廃炉すぐに 停止命令方針報道・・市田氏が強調

日本共産党の市田忠義書記局長は13日、国会内の記者会見で、高速増殖炉「もんじゅ」の使用停止を原子力規制委員会が命じる方針を固めたとの報道について、「動かす余地など全くなく、停止命令が出るのは当然だ。運転停止にとどまらず、直ちに廃止すべきだ。無謀なプルトニウム循環方式から直ちに撤退すべきだ」とのべました。

市田氏は、「もんじゅ」が1995年の試験運転直後にナトリウム漏れ事故を起こし、2010年にも運転再開直後に事故を起こしたことをあげ、「原子炉はもともと危険なものだが、『もんじゅ』はもっとも危険な原子炉だ」と指摘し、速やかな廃炉以外にないと強調しました。

さらに市田氏は、自民党が原発再稼働を参院選の選挙公約に掲げることについて、「国民の安全を顧みず、国民多数の“原発ゼロ”の願いに真っ向から挑戦するものにほかならない」と批判し、「日本共産党は、再稼働撤回と『即時原発ゼロ』の政治決断を行うことを掲げて選挙戦でも国会論戦でもたたかっていきたい」と語りました。

自民党が再稼働について「安全性が確認されたものから」としている点について市田氏は「福島第1原発事故は収束もしていないし、事故原因も定かでないし、汚染水も漏れ続け、処理方法もない」と指摘。「国会で日本共産党から追及を受け、世界最高の『安全基準』という言葉が使えなくなって『規制基準』と言うようになった。そこまで追い込まれている時に、再稼働を公約にすることは許しがたい」と批判しました。

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