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安全軽視の原発事業者・・規制委で非難・苦言  日本原電‥「活断層」調査が遅い、もんじゅ‥作文しその場しのぎ

「活断層」調査が遅い・・敦賀原発・日本原電に

原子力規制委員会の専門家チームによる日本原子力発電敦賀原発(福井県敦賀市)敷地内の破砕帯調査で2号機原子炉直下に活断層があるとの初の評価書がまとまりました。昨年(2012年)11月に開かれた調査チームの初会合から半年近くになります。調査に加わった4人の専門家からは、建設時の資料が残されていないなど調査の困難さ、会合のあり方などの意見が相次ぎました。

日本原子力発電敦賀原発。沸騰水型軽水炉の1号機(左)と加圧水型軽水炉の2号機(右)=(山本雅彦氏撮影)
日本原子力発電敦賀原発。沸騰水型軽水炉の1号機(左)と加圧水型軽水炉の2号機(右)=(山本雅彦氏撮影)

藤本光一郎東京学芸大学准教授は、日本原電に対し、「関係するデータは全部出してほしい。シナリオに沿ったデータだけが提示されたのは残念」と注文。堤浩之京都大学准教授は、調査データがまだ不足していると述べた上で、日本原電が会合の当日に大部の報告書を提出したことに「実質的な議論ができない」と苦言を呈しました。

鈴木康弘名古屋大学教授は、建設済みの敷地内での調査には制約があるとしながら、活断層を否定する事業者にデータを依存せず、規制委が自ら調査すべきだとしました。

宮内崇裕千葉大学教授は、専門家による評価会合が、科学的に判断する会合だったのに「いろいろな圧力があった」と述べ、科学的な会議に徹してほしいと要望。日本原電の聞き取りで、活断層の評価と関係のない経営上の要請などがあったとし、規制庁側も日本原電に退席を求めるべきだとしました。また、「(評価会合への)バッシングやネガティブキャンペーンで気がめいることもあった」と心情を語りました。

規制委の島崎邦彦委員長代理は、評価書がまとまるまで半年かかった理由について、「事業者の調査が非常に遅く、なかなか進まなかった」と述べました。

 

作文し その場しのぎ・・もんじゅ・原子力機構に

高速増殖炉「もんじゅ」の点検漏れ問題に対する処分が検討された5月15日の原子力規制委員会では、日本原子力研究開発機構のずさんな対応に、委員から次々と非難の声が上がりました。

島崎邦彦委員長代理は「1月に『経営層と現場のコミュニケーション不足』と言っていたのに、実際にされていない。作文をしてその場しのぎをしているとしか言いようがない」と怒りをあらわにし、「こういう組織の存続を許していること自体が問題だ」と切り捨てました。

中村佳代子委員も「何カ月か前まで、もんじゅは専門家集団が運営していると信じていた。対応を見ていると、真剣に受け止めていると思えない」と批判。「専門家として恥ずべき行為。プライドに懸けて、もう一度原点に戻って反省してほしい」と述べました。

田中俊一委員長は、原子力機構が過去にさまざまなトラブルで6回も「根本原因分析」を行ったことに触れ、「結局根本分析になっていない」と体質を問題視。「工程優先ではなく、安全優先、安全文化を大事にすることを実現しないといけない」と述べました。

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