避難計画わずか5キロ 優先したのは再稼働
東京電力福島第1原発事故を踏まえ、原発から30キロ圏をめどに自治体に求められている原子力防災計画の策定が、対象21道府県の中で未定となっているのは福井県だけになっています。福井県は、全国で最も多い15基の原発を立地させているうえ、全国で唯一、関西電力大飯原発3、4号機(おおい町)を稼働させているだけに責任は重大です。
同県が策定したのは、原発から5キロ圏の住民避難計画にとどまっています。「被害のリスクや万一の際の損害の可能性などを考慮し、原子力発電所に近接する地域の防災対策を最優先に考え」たといいますが、なにより優先したのは再稼働でした。
県内の、おおむね30キロ圏の対象12市町では、10市町がなお、国の原子力防災対策指針などを参考にした地域防災計画の改定に至っていません。改定済みの福井市と若狭町は、県が計画策定した時点で県と整合性がなければ改定が必要になります。
同県は未定の理由を、国が①5キロを超え、おおむね30キロまでの圏内に住む住民を避難などさせる具体的な判断基準②安定ヨウ素剤の服用方法③緊急時の環境放射線モニタリングにおける国と県の役割・・を明示していないとし、「国に説明を求めている。国が示し、整理がつけば、計画策定に着手する」と説明しています。
新安全神話が根底に
日本共産党の佐藤正雄県議の話・・・原発推進・再稼働のためには福島事故のような想定は行わない福井県の姿勢は、「福井ではあのような事故は起こらない」という新安全神話が根底にあり、許されません。県は、広域避難計画となれば、逆に住民が原発にさらに不安をもつと恐れを抱いているのです。いっそう原発ゼロをめざす運動で福井県をはじめ原発推進共同体を追い詰めるために頑張ります。