東京電力福島第1原発事故で精神的苦痛を受け続けているとして、福島県浪江町の住民の約半数に当たる1万人超が5月29日、町を代理人として東電に慰謝料の増額などを求め、裁判外紛争解決手続き(ADR)機関の原子力損害賠償紛争解決センターに申し立てを行いました。
弁護団によると、町が代理人となるのは全国で初めてといいます。
申し立てたのは、北海道から沖繩まで40都道府県と海外に避難している4885世帯1万1602人。
東電には謝罪のほか、事故発生以降の慰謝料を現行の1人当たり月10万円から35万円に増額するよう請求。町全体の放射線量レベルを事故前に戻すことなども求めています。
記者会見した浪江町の馬場有町長は、「申し立ては一つの区切りでスタートライン。良い方向性が持てるような結論を期待したい」と述べました。
また「約3週間で町民の半数以上が集まった。町民の怒り、悔しさ、将来に対する不安といったもろもろの感情が出た数字だ」と話し、今後も追加申し立てを行う考えを示しました。