茨城県東海村の加速器実験施設「J-PARC」の放射能漏れ事故で、日本原子力研究開発機構と高エネルギー加速器研究機構は5月29日、新たに男性1人の内部被ばくが判明したと発表しました。事故による内部被ばくが確認されたのは、女性2人を含む計34人になりました。
原子力機構などは当初、施設内にいた55人を調査対象と説明していましたが、29日になって、施設内の比較的被ばくの可能性が少ない区域にいたり、滞在時間が短かったりした47人も調査していたことを公表。このうち、民間企業の男性(57)
が0・1マイクロシーベルトの被ばくをしていました。
また原子力機構などは、当日の風向きなどを考慮した拡散予測計算から、事故で放出された放射性物質が施設の西約1キロまで拡散した可能性があることを明らかにしました。
モニタリングポストの計測値に基づく推定では、敷地境界付近の被ばく量は最大0・29マイクロシーベルト。約670メートル離れた最も近い住宅地の推定被ばく量は0・1マイクロシーベルト以下としています。