東京電力と資源エネルギー庁は5月30日、福島第1原発の放射能汚染水対策として、流入する地下水を原子炉建屋で汚染される前にくみ上げ海に放出する計画について、福島県のいわき市漁業協同組合の会合で説明し、理解を求めました。漁業者側からは安全性や風評被害を懸念する声や汚染水への抜本策を求める意見が相次ぎました。
同漁協の矢吹正一組合長は終了後、「海に流してもいいという人は誰もいない。1回の説明では足りない」と述べ、6月7日に同県相馬市で予定されている説明会とは別に、説明を受けたい意向を示しました。エネ庁の渕上善弘事故収束対応調整官は「意見を受け止め、説明を尽くしたい」と語りました。
会合には組合員ら約120人が参加。東電は、原発に流入する地下水を減らすことで、汚染水を抑制できると説明。地下水に含まれる放射性物質は国の基準値を大幅に下回っており、「生活用水としても使えるレベル」と安全性を強調しました。
これに対し、漁業者側からは「それなら飲んでみればよい」「建屋から(汚染水が)出たらどうする」など怒りの声が上がりました。国の責任を明確にするべきだとの指摘も出ました。