全国各地の公害被害者が連帯し、政府や大企業に救済と公害根絶を求める「全国公害被害者総行動デー」が6月6日、取り組まれ、原発事故被害者への全面賠償を求めた東京電力と政府各省交渉には約200人が参加しました。
冒頭、公害・地球環境問題懇談会の小池信太郎代表幹事は「避難者がいまだに15万人と原発事故は史上最大・最悪の公害。政府・東電は責任もって対応を」と訴え、加害責任の認定や「収束宣言」の撤回、福島県内10基の廃炉、全被害への賠償などを要求しました。
東電が初めて原発事故と自殺との因果関係を認めた福島県須賀川市のキャベツ農家の遺族、樽川和也さん(37)が「会社としての謝罪」を求めると、東電側は「大変なご心配とご迷惑をおかけして」と述べるだけで、会場からは「謝罪がすべての始まりだ」との声が上がりました。
廃炉についても東電は「未定」を繰り返し、参加者は「全10基の廃炉は県をあげての世論だ」と迫りました。また、賠償請求について、ゼロ回答を繰り返すことが批判され、東電は「指針などをふまえつつも、今後は個別具体的に対応する」と答えました。
1万人超が 賠償未請求・・東電福島原発事故
東京電力福島第1原発事故の影響で避難指示などが出た福島県沿岸部13市町村の約16万人のうち、5月末時点で約1万1000人が東電に賠償請求していないことが6月6日、分かりました。2014年秋にも時効になる恐れがあります。東電と地元市町村は、未請求者に請求するよう促す方針です。
東電は11年9月から、精神的損害など項目ごとに賠償請求の受け付けを開始。民法上の請求権の時効(3年)を迎える14年9月に一部が時効になる可能性があります。ただし、東電は「直ちに時効を主張する考えはない」としています。
東電の集計によると、13市町村で原発事故直後に仮払いの請求をしたのは16万5824人。そのうち、1万1214人が本格的な賠償請求をしていません。市町村別では、南相馬市が6101人で最も多く、浪江町が1114人、富岡町832人でした。