首都圏反原発連合（反原連）は6月７日、「即時原発ゼロ」を求める首相官邸前抗議行動を行いました。福島第１原発は汚染水漏れなどが相次ぐ危機的な状況なのに、安倍晋三内閣は「成長戦略」の素案に「原発の活用」を盛り込み、再稼働を「政府一丸となって最大限取り組む」と明記するなど原発推進に前のめりです。２５００人（主催者発表）の参加者は「再稼働反対」「原発やめろ」と訴えました。

官邸前では、ドラムやタンバリンのリズムに合わせた力強いコールやスピーチが続きました。

「原発ゼロこそ戦略」と書いたプラカードを掲げる男性（４０）＝東京都中野区＝。「原発再稼働を明言した無責任、無反省な政府に命はあずけられません。私たちこそ一丸となって、選挙で目にものみせたい」と話しました。

福島県南相馬市出身の男性（６９）＝横浜市＝は「事故の反省もせず、原因も解明できないのに、再稼働とは恥知らずだ。南相馬の実家は空き家になってしまい、本当に悔しい」と語りました。

日本共産党の笠井亮衆院議員、吉良よし子都雇用と就活対策室長がスピーチしました。

 

海に流すな♪汚染した水を・・官邸前行動　全国で呼応

安倍首相がフランスのオランド大統領との会談で、原発輸出など原子力分野での協力強化を柱とする共同声明を発表した6月7日、全国各地で「原発輸出反対」「再稼働許すな」と官邸前行動に呼応した取り組みがおこなわれました。

秋田・・全国も注目

秋田市の即時原発ゼロを求める市民団体「さよなら原発県民アクション」は、同市中通の仲小路などをデモ行進し、「原発いらないさようなら」などと唱和しました。34人が参加しました。

出発前、原発ゼロ共同行動（2日、東京）に参加した男性が、「秋田の行動は全国でも注目されている。頑張りましょう」とあいさつしました。

大館市では、原発ゼロを求める金曜日大館行動が行われ、市民18人が参加しました。

名古屋・・鉄琴を携え

名古屋市の関電東海支社前で、大飯原発の再稼働に反対する行動が行われました。再稼働反対の行動が始まって1年です。参加者は雷鳴とどろく天候のもとで抗議の声を上げました。

鉄琴を携えて参加した、あかねさんは「原発なんか売るなよと思うし、『原発のない美しい日本を取り戻そうね』と言いたい」と安倍首相に皮肉をこめます。

神戸・・思い新たに

神戸市では中央区の関西電力神戸支店前行動が行われました。

明石市の男性は6・2集会や福島での体験を報告。「汚染水は絶対に海に流してはいけない」と訴えました。

神戸市北区の女性は「ここへ来ると原発をやめさせたいという思いが新たになり、福島の人の気持ちを忘れず自分のものにしなくてはいけないという思いになります」と話していました。

岡山・・歌って行進

原発ゼロをめざすイレブンアクション岡山実行委員会は、岡山市の中国電力岡山支社周辺で42回目のデモ行進を行い23人が参加しました。

伊原潔事務局長は、東京電力が福島第1原発2号機の原子炉格納容器の圧力を実際より10倍高いと誤認し、冷却水の注入を大きく減らし、放射性物質が大量に飛散している恐れがあることを指摘、ずさんな管理を批判するなど原発をめぐる状況を報告しました。

参加者は「海に流すな　汚染した水を　大地に漏らすな　汚染が広がる」と歌いながら支社のまわりを行進。最後に「原発再稼働をするな」「安全な電気をつくれ」と訴えました。

長崎・・共同広げて

原発ゼロをめざす長崎連絡会の呼びかけで、「いますぐ原発ゼロヘ！　ながさき『あじさい行動』」が長崎市であり、40人が「原発再稼働反対」と唱和して市役所と県庁を往復しました。

6月末で「あじさい行動」開始から丸1年を迎えます。山口喜久雄事務局長は「共同を広げてこそ、原発は止められる。デモに参加しない市民からも声援があるなど、原発ゼロに共感を寄せる人は多く、放射能への関心も被爆都市・長崎とあって高い。原発がゼロになるまで継続したい」と話しました。

 

笠井亮・吉良 よし子氏

7日、「原発ゼロ」「再稼働反対」を訴える首相官邸抗議行動で、日本共産党の笠井亮衆院議員と吉良よし子都雇用と就活対策室長がスピーチしました。

笠井氏は、安倍政権が「成長戦略の素案」で、原発の再稼働に政府一丸で取り組むなどと明記したことを批判し、「許せません。こんな挑戦状は突き返そう。安倍首相がやるべきは再稼働ではなく、事故の収束、汚染水対策に責任をもつことだ」と訴えました。

吉良氏は「たくさんの人が60回近くこの場で声をあげ、2日に東京でおこなわれたノーニュークスデイには6万人が集まった。安倍首相にこの声が聞こえないとは言わせない。原発は今すぐ廃炉しかない」とのべました。