愛媛県が厳重注意
四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)3号機で、原子炉格納容器内のプールにある燃料集合体にポリエチレン素材のテープとみられる付着物が4月に見つかっていたのに愛媛県への通報は2カ月遅れの6月5日だったことがわかりました。同県は同日、口頭で厳重注意しました。四国電は7月にも伊方3号機の再稼働申請を行う方針ですが、原発を動かす資格が問われます。
愛媛県によると、再稼働に向けた対策工事中の今年4月12日、四国電の作業員が燃料集合体の3カ所で付着物をモニターを通じて発見しました。同社は原因を調査中です。
四国電は、原発構内で異常を確認した際は、安全協定に基づいて愛媛県に速やかに通報しなければなりませんが、県への通報は6月5日でした。原子力規制庁の地元事務所には4月15日に通報していたといいます。
愛媛県の伊藤豊治原子力安全対策推進監は記者会見し四国電の対応を批判。その上で「原因究明と再発防止策が終わらないと、再稼働の(燃料)装荷はできない」と述べ、再稼働に影響する問題だとの認識を示しました。
会見に同席した四国電の川西徳幸原子力本部付副本部長は、原因も不明で異常時の通報体制の再確認もすまないのに、再稼働について「(影響が)ないように努力する。準備が整い次第、燃料を装荷したい」と無反省な姿勢をあらわにしました。