東京電力と資源エネルギー庁は6月7日、福島第1原発の汚染水対策として地下水を海に放出する計画について、福島県相馬市で相馬双葉漁業協同組合(相双漁協)向けに説明会を開きました。漁業者からは「風評の拡大が心配」「東電の言うことは信用できない」など反対意見が相次ぎました。南部房幸組会長は、報道陣に「東電と漁業者の間には感覚のずれがある。まだまだ説明が必要だ」と述べました。
県内の漁業者向け説明会は2回目。福島県漁業協同組合連合会(県漁連)は、さらに説明会を開いた上で、傘下の各組合で考えがまとまれば、24日の組合長会議で意見集約を図る方針。
東電側は説明会で、地下水を放出する場合は毎回水質を確認するなどと説明し、安全性を強調しましたが、「信用できない。絶対に汚染されていないとは言い切れない」などと批判が相次ぎました。「なぜ今になって放出するのか」との指摘もありました。
参加した相馬市の漁業高橋通さん(58)は「試験操業にも支障が出る。少しでも海から(放射性物質が)出てきたら、積み上げてきたものが崩れてしまう。絶対に反対だ」と話しました。