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また放射性物質除去装置(アルプス)のタンクで汚染水漏れ・・福島第1

東京電力は、福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)で、放射性ストロンチウムなど62種の放射性物質を除去できるとする多核種除去設備(アルプス)のタンクから汚染水が漏れていると、6月16日に発表しました。

多核種除去設備「アルプス」=東京電力提供
多核種除去設備「アルプス」=東京電力提供

汚染水漏れが見つかったのは15日午後11時ごろで、巡回中の同社社員が、3系統あるアルプスのA系に汚染水を供給するバッチ処理タンクで、タンク下の水受けに数滴の茶色い色の水が垂れた跡を見つけました。漏れた箇所は、タンクの下部で、溶接部から漏れた可能性が高いと東電はみています。

タンクの表面には結露水があり、一部が変色していたため、汚染水漏れを発見した社員はタンクの下にバケツを置いておきました。その後16時間でバケツに滴下した結露水370立方センチメートルの放射性物質の濃度を分析した結果、セシウム134が1立方センチメートル当たり1・9ベクレル、セシウム137が同3・9ベクレル、全ベータ核種が6700ベクレルでした。

アルプスは、同原発の1~4号機の原子炉建屋、タービン建屋の地下にたまっている高濃度放射能汚染水をセシウム除去設備、淡水化装置で処理した後の汚染水(濃縮塩水)から、放射性物質を減らすための設備です。東電はトリチウム(3重水素)以外の放射性物質は法令限度以下に減らすことができるとしています。

今回水漏れがあったタンクは、淡水化装置から送られてきた汚染水をアルプスで処理する前にためておくものでした。容量は26・25トンで、漏れが見つかったときは25トンの水が入っていました。

同原発では5日に、汚染水漏れを起こした地下貯水槽から地上のG6タンクヘの濃縮塩水の移送中に、タンクの継ぎ目から汚染水が漏れる事故が起きていました。

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