原子力規制委員会の東京電力福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)の事故分析を行う検討会で6月17日、1号機原子炉建屋4階での出水の原因を5階の使用済み燃料プールが水源となった可能性が高いとする見解が示されました。
国会事故調報告書によれば、事故当日、1号機4階で作業員が地震時に出水を目撃していますが、その由来が不明で、近くにIC(非常用復水器)系統の配管があることから、地震との関連が問題になっています。
規制庁の職員5人が先月、1号機原子炉建屋に入り、4階で写真やビデオ撮影。また、事故当日に1号機で作業していた作業員から再聴取しました。
検討会では、作業員の「バケツの水をバッとまいた感じ」との証言から、漏れたのが霧状ではなく液体状であったとし、ICにつながる配管破断などによる蒸気ではないと結論。また、現地調査の結果などから、燃料プールの冷却水が何らかの原因で4階のチャンバ(空洞)から出水した可能性が高いと推定しています。
現在、チャンバは1号機で起きた水素爆発により、大きく破損しており出水の原因となった破損状況は確認できていません。規制庁は、今後、分析したいとしています。