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“溶融燃料取り出しを1年半前倒し”・・専門家が異議/「一日千秋」の思い

待ち遠しい思いを表す言葉に「一日千秋」があります。千秋は千年の意。1日会わないと、千年も会わないように感じられることから、切実に待ち焦がれる気持ちをいいます。

先週開かれた東京電力福島第1原発の廃炉作業の安全性を監視する原子力規制委員会の検討会でのこと。政府と東電が発表した、“溶融燃料取り出しを1年半前倒し”という第1原発の廃炉工程表に対し、福島大学の気象学の専門家が異議を唱えていました。

「工程表に全く実感が持てない。地元にとって1年半は貴重。それどころか、自分がいつ戻れるか、一日千秋の思い」なのにと。他の出席者からも「根拠がはっきりせず、絵にかいたモチに見える」「最悪を想定していない」など批判が相次ぎました。

政府の担当者はまともに答えられませんでした。一貫して事故を過小評価してきました。しかし、汚染水問題など事故の深刻さは続いています。

事故から約3週間後の放射性ヨウ素131の土壌汚染を推定した分布図も初めて公表されました。放射性セシウムの分布と同じく、放射性物質の沈着量が多い地域が原発の北西方向に広がります。しかし、放射性セシウムの沈着量が比較的少ない南側10キロメートルの範囲で、放射性ヨウ素が高い濃度で広がっていました。

新規制基準には事故時に放出される放射性ヨウ素の規定はありません。規定を設けるべきだという国民の意見は無視されました。事故の現実さえ反映しない基準。国民の安全、一日千秋の思いも置き去りです。

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