3回目の新学期
東京電力福島第1原発の事故で避難を余儀なくされた福島県の小中学校57校(13市町村)が、事故後3回目の新学年を迎えたこの4月、通学する児童生徒の数は、事故前の32%で、1年前に比べ78人増にとどまることが6月30日までの本紙の調べ(表参照)でわかりました。
この2年余のあいだに、休校は10校へと当初の半分以下になりました。浪江(なみえ)、富岡、広野、楢葉(ならは)、葛尾(かつらお)の5町村が計13校を再開。すべて休校している自治体は、双葉町だけになりました。
開校している47校(11市町村)に通う児童生徒数は4114人です。事故前の32・1%です。3人に2人がもどってきていません。
昨年(2012年)4月と比べると78人増(入学者は101人増)とほぼ横ばいです。
自治体別にみると、増えたのは4市町村。1年前に役場とともに元の校舎に帰還した川内村、昨年8月に元の校舎に帰還した広野町、昨年4月いわき市で再開した楢葉町、5校が市内で避難中の南相馬市です。
一方、大熊町は128人減り、浪江町の小学校の入学者はゼロでした。
4月に三春町で再開した葛尾村の小学校に通う5年生、渡辺千尋さん(10)は「友だちと離れて少しさびしかったけど、葛尾の友だちがいてよかったよ。みんなといっしょに楽しいよ。ここがいい」と話しています。
(中村秀夫)