東京電力は7月7日、福島第1原発の港湾近くの観測用井戸で5日に採取した地下水から、1リットル当たり60万ベクレルの放射性トリチウム(三重水素)を検出したと発表しました。これまでで最も高い濃度といいます。
この井戸は港湾から約6メートル西にあり、現在ある観測用井戸5ヵ所の中で最も海に近い。1日に同じ場所で採取した地下水のトリチウム濃度は同51万ベクレルでした。また、1~4号機取水口北側の海ではトリチウム濃度が上昇傾向を示しており、3日に採取した海水で同2300ベクレルと過去最高でした。
東電は「データを蓄積している段階で、海へ流出しているかどうかは判断できない」としていますが、地下で汚染がどのように拡大しているか把握できていません。
5日に南側にある別の井戸から採取した地下水のトリチウム濃度は同38万ベクレルで、ストロンチウム90などのベータ線を出す放射性物質濃度も同90万ベクレルと高い値を示していました。この近くでは事故直後の2011年4月、高濃度汚染水が海に流出しています。